“ものづくり”と風土工学

 竹林 征三

 工学博士・技術士

 富士常葉大学 環境防災学部 教授

 同大学付属 風土工学研究所 所長

 これからに“地域づくり”の実学として新たに「風土工学理論」の体系を構築し、

その普及啓発につとめている。


 

1.     はじめに

人に個性があるように、地域にも強烈な個性がある。人にプライドがあるように、地域にもプライドがある。しかし、地域の個性は、しばしば隠れている場合が多い。また、地域のプライドは、しばしば傷つけられ泣いている。

感性を磨き、地域の歴史や風土・文化などをよく知れば、隠れているものが見えてくるし、プライドの悲痛な叫びが聞こえてくる。感性を磨けば磨くほど、地域の歴史や風土・文化を知れば知るほど、その度合いに応じて地域の個性がより輝いていることがわかるから不思議である。

 

2.     景観十年、風景百年、風土千年

1)環境と風土のアナロジー

2)景観十年、風景百年、風土千年

 

3.人間存在の風土の構造(和辻哲郎の研究)

1)三超越四要素

2)土木施設存在の風土の構造

 

4.風土とハーモニーする土木施設とは

1)「真」「善」「美」の構造

魅力そなわる人間の要件

2)「自」「強」「美」の構造

魅力そなわる土木施設の要件

3)美の構成原理、美の三定理

4)風土とハーモニーする土木施設とは

5)造形の四要素と四原理

6)「かたちづくり」の心

7)デザイン対象としての「かたち」

(8)デザイン対象としての色彩

9)デザイン対象としての命名の心

 

10)風土工学の意味空間設計

 

5.風土工学による“ものづくり”の事例研究

1)風土資産イメージアンケート分析

四窓分析デザインコンセプトの抽出

2)物語の創出から意味空間設計

3)デザイン基調の調査

4)施設“かたち”のデザイン展開

6.おわりに

 

1)感性を育む10のプロセス

2)素晴らしい “ものづくり”を生み育てる

三条件

3)夢のある“ふるさと”に向けて