ごあいさつ

特定非営利活動法人
風土工学デザイン研究所
 理事長 田村 喜子

風土工学デザイン研究所主催のシンポジウムも回を重ねて、今回第5回を迎えます。これも一重に、きょうお集まりのみなさまをはじめ、日頃、私どもの研究にご理解をお寄せくださり、ご支援を賜っております各方面の方々のおかげでございます。
 さらに、今回は河川環境管理財団の助成金の交付がございました。
 ここに厚く感謝とお礼を申し上げます。

 今回のテーマは“治山・治水と風土工学”でございます。
2,3年前に『土木のこころ』というタイトルで、20人の土木技術者を書きました。そのなかの1人に赤木正男を取り上げた関係で、砂防に関する資料を読んだり、立山や富士山や雲仙普賢岳の現場見学もさせていただきました。

大抵の場合、砂防工事は山の中で行われており、一般のひとの目に触れる機会はあまりないと思われます。しかし、人びとが安心して日常生活を営むうえで、それが如何に大切なことであるかを、現場を見せていただいたおかげで、私は十分に理解することができました。今回の斬界の第1人者によるご講演とパネルディスカッションが、治山・治水の重要性、そして、ここに風土工学を加味することの意義といったものをご理解いただく一助となりますことを願っております。
 


    土木のこころ
 −夢追いびとたちの系譜−

 著者 田村 喜子
   発行 株式会社 山海堂
   上製本/272頁
   平成14年5月発行
   定価 1,900円(税別)