北海道 夢未来
〜新しい成功体験〜
吉田 義一
国土交通省北海道開発局長
北海道開発庁入庁後、国土交通省北海道局企画課長、
北海道開発局建設部長を経て平成16年7月より現職。
平成9年の北海道拓殖銀行破綻以来、北海道の経済を表す数値は、年間の完全失業率が全国平均を常に上回るなど、悲観的な数字が多いのですが、次の時代の発展に繋がる新しい成功体験も生まれています。
農水産物では、長いも・ホタテなどの輸出作物が出てきています。観光では、北海道は東アジアの宝との評価があります。北海道が弱いといわれている製造業でも世界シェアの30%を占める企業が生まれています。
この企業の経営者は、「優秀な理系学生を求め北海道に立地し、採用した学生が大黒柱となった。苫小牧港、新千歳空港の整備が、世界に製品を出荷する大きな力となった」と語ってくれました。
四半世紀後には地域の強みと弱みがはっきり現れてきます。21世紀における人口減少、経済の安定成長、グローバル化の進展というこれまで経験したことがない環境下においては、各界が北海道の長期ビジョンや将来像を共有して国際間・地域間競争に臨むことが重要です。しかしながら現在、その議論が十分行われているとは言い難く、北海道の将来像は何かという意見交換が必要だと思います。
このため、北海道開発局では、道民的議論のきっかけを作ることを目的として、20〜30年後の北海道の中核を担うであろう若手経済人・研究者・有識者に集まっていただき、北海道の将来ビジョンを形成・共有するための議論を幅広く展開する場として、「北海道夢未来懇談会」を今年の2月から6月までに隔週で計10回開催しました。また、懇談会と並行して、札幌以外の全道10地域でも各地域の若手有識者との地域懇談会を開催し、ホームページでも広く意見・提言を募集しました。
これら「北海道夢未来懇談会」で議論された内容や将来ビジョン及びそれらを実現するための官民等各主体の役割について紹介したいと思います。