■報告の概要


古絵図にみる白川改修

 富田 紘一熊本市文化財課・考古学

清正の緑川治水遺跡の調査報告

 長井  勲美里町文化財保護委員会副委員長・考古学


生活空間としての城 −本丸御殿の発掘調査−

 金田 一精熊本市文化財課・考古学




・「清正公(セイショコ)さんの造らした…」を探る
 続いて熊本市文化財課の富田紘一氏、美里町文化財保護委員会副会長の長井勲氏、熊本市文化財課の金田一精氏より報告が行われた。
富田氏は「古絵図にみる白川改修」と題して、いくつかの絵図と文書を比較検証することにより、蛇行の始点と終点を切り通して直線化して現在見られるような形にしたことなどを地図上に旧流路をのせて説明した。
 長井氏は「清正の緑川治水遺跡の調査報告」と題し、翌日の見学会の見どころである美里町岩下地区の「一の刎」「二の刎」「三の刎」と呼ばれる石積みの川堤防や緑川改修工事の史料、「緑川川絵図」の現地確認調査により、現在も同じ姿を残している河道や堤防から、清正の治水事業の偉業について報告した。
 金田氏は「生活空間としての城−本丸御殿の発掘調査」と題して、築城四〇〇年にあたる平成一九年度に完成予定の本丸御殿大広間の復元に先立ち行われた発掘調査で明らかになったことを紹介した。調査により「御城内御絵図」が非常に正確に描かれたものであることが判明し、発掘で膨大な量の瓦や金具、炭化材、軍用品が出土したことなど、これら多くの調査結果を元に建物復元をして熊本城のかつての姿を再現していくことを述べた。