■講演の報告


肥後の慶長国絵図の世界

 松本 寿三郎崇城大学工学部教授・歴史学


・肥後の国慶長国絵図の姿を考える
 次いで、崇城大学工学部教授の松本寿三郎氏が「肥後慶長国絵図の世界」と題して講演した。「慶長国絵図」は江戸幕府が慶長一〇年(1605)に諸国の大名に命じて国絵図と郷帳を提出させたものであり、現存はしていないが肥後の国では清正が領国内の郡の石高や村数、寺社、城、国境、道、河、山等の情報を収集して作成したであろうとし、四メートル四方の国絵図上に記載された内容のそれぞれの描かれ方や郷や村名の変遷について述べた。
 また、寛永期に細川氏が作成した「肥後国絵図」について、巡見使見廻国の際に国内を案内する必要性から急遽作成され、慶長国絵図を忠実に写したものであることを肥前国絵図等史料と比較し、類似点、またはその間に移築したはずの建物がもとの場所にある点などから考察し、ここから慶長期の国絵図の姿を把握することができることを推論した。