■講演の報告


都市再生へ向けて

 中村 英夫武蔵工業大学 学長


 ◆街・川・道が一体となった魅力的な都市空間再生構想
 
中村氏は、まず日本の大都市の優れた点として、街が清潔に保たれている、治安面が比較的良い、商業サービスが便利である、公共サービスの信頼性が高い等の点を挙げた上で、反面課題も多く残ることを指摘。現在のような「貧しい都市環境」を生んだのは、「急激な都市集中やモータリゼーションの進展などの要因が考えられる」と語った。また、「狭い国土でありながら土地への執着心が強い」という日本人の民族性との関連にも言及。「『私のお家もみんなの景色』という言葉があるように、景観は人々の暮らしによって形作られる」とした。さらに都市再生のモデルケースとして日本橋地区首都高速道路移設計画を取り上げ、街・川・道の一体的整備による賑わいのある魅力的な都心空間の構想を提案した。